2024/11/08
日本国内のEC市場が落ち着き始めるなか、多くの企業が新たな成長戦略として注目を集めている「越境EC」。世界中でインターネットとスマートフォンの普及がすすみ、日常化したオンラインショッピングは地域の壁を越えた購入ニーズが拡大しています。この市場の広がりは、アジアや欧米などの広大な消費市場へ参入できるチャンスです。
海外市場で成功するには、適切なタイミングと準備を行い、万全な体制で参入することがポイントです。
本コラムでは「越境ECを始めるタイミング」と「必要な準備」に焦点を当て、実際にどのようなステップが重要なのかを具体的に解説します。
世界中どこからでも購入できる越境ECの市場はますます拡大しています。
日本の商品は特に「高品質」として、アジア、北米、欧州で高い人気があります。なかでも、アニメ・ゲーム関連グッズ、ファッション関連用品、アーティストグッズ、アートなどは特に越境EC取引が多いカテゴリーです。EC事業者にとって販路拡大のビジネスチャンスである一方で、競争も激化しています。
海外市場へ参入するには、ターゲット市場を絞り、現地のニーズに応じた販売戦略を整えることが重要です。
まずはターゲットとする国や地域の市場調査を行い、自社商品に対する需要があるか確認しましょう。例えば、GoogleトレンドやSNSデータを利用し、現地での人気商品や検索動向をリサーチします。また越境ECプラットフォームのデータを活用し、現地の需要やトレンド、競合状況を把握します。
同時に、ターゲット市場の文化的背景や購買動機もリサーチすることで、効果的なプロモーション戦略が立てられます。市場調査を通じて、現地のニーズと自社商品のマッチングを図りましょう。
越境ECは国内ECと異なるプロセスが必要なため、自社のリソースが整っているか確認する必要があります。特に在庫、物流体制、顧客対応など、担当人員が十分に確保されているか事前に必ずチェックをしておきましょう。
社内の準備が整っていないまま越境ECをスタートしてしまうと、運営や対応が追い付かないなど、顧客満足度低下やトラブルの原因になりかねません。また、国内業務と越境ECを同時に行う場合、繁忙期を避けた時期に計画を進めるのも有効です。
越境ECへの参入は、ターゲット国のイベントなど購買意欲が高まるタイミングに合わせると効果的です。特にホリデーシーズンや年末年始などセール時期には、現地の購買ニーズが増します。
成功率を高めるために、ターゲット国内のイベント情報や文化情報を事前に調査し、参入時期の参考にしましょう。
越境ECでは、国内と異なる物流の課題が多々あります。適切な梱包やインボイスの作成、関税の申告など複雑な手続きをスムーズに行える体制が必要です。自社で対応することが難しい場合は、物流業者の活用やパートナー企業と連携することも検討しましょう。配送トラブルや遅延を防ぎ、スムーズな配送を実現できるよう、事前に物流体制を構築しておくことが重要です。
ターゲット市場の言語に対応したサイトや商品ページ、価格表示、決済方法、お問合せ対応を準備しておきましょう。現地の言語表記はもちろん、分かりやすい説明や好まれるデザインも併せて検討する必要があります。
地域や文化に合わせた表現やプロモーションをおこなうことで、顧客からの信頼性が向上し、安心して購入できる環境を構築できます。
越境ECでは、国ごとの輸入規制や関税を理解しておくことが大切です。国に応じて発送できる商品の基準や対応が異なります。手続きや申請を適切にかつスムーズに行うために、正しい情報を得ておきましょう。
また、物流パートナーのサポートを活用し、遅延や申請手続きに支障が出ないよう事前に備えておくことが大切です。
越境ECにおける顧客サポートは、現地の顧客に安心感を与える重要なポイントです。問い合わせへの迅速な対応や、返品対応など万が一のトラブルに対応できるようサポート体制を整えておきましょう。
また、購入後のフォローアップメールや、定期的なプロモーション情報の提供なども顧客へのサポートに効果的です。
ターゲット地域に合わせた商品のライン展開や、消費者に合わせたSNS・デジタル広告戦略を策定しましょう。現地トレンドを取り入れた広告や人気のインフルエンサーを起用することで、ブランドの認知度向上に効果的です。また、越境ECに特化した販売プラットフォームを活用し、商品のパフォーマンスを計測・改善することもポイントです。
越境ECの運営では、自社では対応できない内容をカバーすることができるツールや、企業とのパートナーシップが重要になります。受注管理、在庫・出荷管理が一体化したEC運営システムは、管理業務の大幅な簡易化と作業効率を向上させます。また、現地サポートを提供する業者や、多言語での顧客サポートを提供する業者と連携し、自社での対応領域を軽減する方法も効果的です。
自社のリソースだけで完結しない部分は、積極的にアウトソーシングを活用することでスムーズな運営体制のもと海外参入が可能になります。
越境ECの成功には、タイミングと事前の準備が必要不可欠です。
まずは自社内のリソースを的確に把握したうえで、ターゲット国の市場調査や物流体制の構築、法規制の理解、多言語対応のサイトなど、段階的に準備をしていきましょう。はじての海外展開で不安を感じる場合は、大々的なPRを行う前に、海外販売用のプラットフォームを利用した小規模なテスト販売を実施し、顧客の商品に対する反応を見ることもおすすめです。自社にとって運営体制と販売戦略が整った適切なタイミングでスムーズに越境ECをはじめましょう。
越境ECは今後の成長が期待される分野です。入念な準備と適切なタイミングで海外市場へ参入し、新たな事業基盤と販路拡大を実現しましょう。
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